ドメイン名はどう売買されるのか — 登録・WHOIS・更新の仕組み
ウェブサイトを作るには、まず住所から決めなければなりません。example.com のようなドメイン名です。ところがこの名前は、どうやって自分のものになり、一度決めれば永遠に自分のものなのか、気になったことがあるのではないでしょうか。
前回の記事では、ドメインがどう動くのか、つまり名前を住所に変える DNS と、鍵の役割をする証明書を扱いました。今回の記事では、そのドメインをどう買い、所有し、維持するのかを、取引の視点から解きほぐしていきます。
ドメインは、買うのではなく借りるものです #
よくドメインを「買う」と言いますが、正確には一定の期間借りることに近いです。ふつうは 1 年単位で登録し、期間が終わる前に更新してこそ使いつづけられます。更新をやめると、その名前はふたたび別の人が取れる状態になります。
持ち家ではなく、月々の家賃で借りた事務所を思い浮かべると近いです。契約の期間のあいだは完全に自分の空間ですが、契約を更新しなければ明け渡さなければなりません。ドメインも同じで、永久に買っておくのではなく、使っているあいだ借りつづけるわけです。
登録業者を通して借ります #
ドメインは、どこででも勝手に作れるわけではありません。.com や .net のような最上位の住所を管理する機関が決まっていて、その下の名前を分け与える仕事はレジストラ(登録業者)が担います。私たちがドメインを買うときに利用する、海外の GoDaddy のようなところが、まさにこの登録業者です。
彼らは、ほしい名前が空いているかを確認してくれ、登録や更新、移管といった管理を代わりに行ってくれます。同じ名前でも、業者ごとに価格や付加サービスが違うので、どこで登録するかを一度くらべてみる価値があります。
WHOIS は、ドメインの登記簿です #
ドメインごとに、誰がいつ登録し、いつ満了するかを記した記録があります。これを WHOIS と呼びます。不動産の登記簿のように、そのドメインの持ち主と期間を確認できる公開情報です。
以前は登録者の名前や連絡先がそのまま表に出ていましたが、個人情報の保護が強まり、いまではほとんどが隠されます。代わりに、登録業者が代理の連絡先を見せる方式が一般的です。ドメインがいつ満了するかといった情報は、WHOIS で誰でも確認できます。
更新を逃すと、名前を失います #
ドメインの管理でもっともよくある事故が、更新を逃すことです。満了日を過ぎてもすぐには消えず、しばらくのあいだ復活できる猶予期間を経ます。しかし、この期間さえ過ぎると名前が解放され、別の人が取れるようになります。
長く使ってきたドメインをうっかり逃して失うことは、思ったより多いです。さらに、満了を狙って待ち構え、開いた瞬間にさらっていく場合もあるので、一度逃すと取り戻すのが難しいです。だから大切なドメインは自動更新をオンにしておき、支払いのカードが期限切れになっていないかも一緒に気を配るのが安全です。
よい名前は、それ自体が資産です #
短くて覚えやすいドメインは、それ自体に値が付きます。誰かがすでに押さえているよい名前を買うには、登録費用とはくらべものにならない大金を払わなければならない場合もあります。こうしてドメインを売り買いする市場が別にあります。
だから新しいサービスやブランドを準備するなら、名前を決める段階でドメインが空いているかを一緒に確認しておくほうがよいです。名前は決めたのにドメインが手に入らず、最初から考え直す手間を減らせます。
なぜ非開発者が知っておくと仕事が楽になるのか #
- 更新を管理できます。 ドメインが賃貸だと知っていれば、満了日と自動更新に気を配り、サービスが突然止まる事故を防げます。
- 紛失のリスクを知れます。 更新を逃すと名前を失い、取り戻しにくいと知っていれば、ドメインの管理を軽く見なくなります。
- ブランドを前もって押さえられます。 新しい名前を決めるときにドメインの確保も一緒に考えれば、あとから高く買ったり名前を変えたりせずにすみます。
まとめ #
今日は、ドメインを買い、所有し、維持する流れを見てきました。ドメインは永久に買っておくものではなく、登録業者を通して期間制で借りるものであり、WHOIS でその記録を確認し、更新を逃すと失いうる、という点が肝心です。
ドメインが実際にどう住所として働くのか気になればサイトが突然落ちる理由 — ドメイン、DNS、証明書を、借りて使うという考え方がクラウドとどうつながるのか気になればクラウドとは結局のところ他人のコンピュータを借りることを一緒に読んでみることをおすすめします。